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編集長のブログ

『権力を取らずに世界を変える』そのⅠ(この数日)


この数日ジョン・ホロウエイの『権力を取らずに世界を変える』(大窪一志・四茂野修共訳・同時代社)を就寝前の読書で読んでいる。どちらかといえばマルクスの系譜を汲む思想家の書いたものは40代以降、敬遠しがちであったが、この本はタイトルに惹かれて読むことにした。それでもアドルノ・グラムシ・ネグリなどは数冊は読んだ。特にヘルベルト・マルクーゼについては『理性と革命』を図書館で借りて全文筆写した。本が絶版になっていたこともあるが、この論には私にとって重大であった。マルクーゼはヘーゲルを彼の解釈したマルクスの論で批判していたが、それまでヘーゲルをかなり読み込んでいた私には、マルクーゼの論点の誤りを指摘できたし、マルクスによるヘーゲルの誤読箇所が分かった。それはマルクーゼ自身というより、それまでのいわゆる左翼思想家の誤りといってよいほどのものであった。しかしマルクーゼの真摯な記述は私にとって多くの示唆を含んだものであり、全文筆写するに値するものであった。

30代の半ばころのことであったろうか、夏休みの宿題に取り組む同居人の甥たちのかたわらで、その夏、私はマルクーゼと対話し続けた。そしてときにはマルクーゼの頭脳に存在していたマルクスやヘーゲルとも語り合い、疑問点を大学ノートに書き込んだ。振り返ればこの夏があって私は自分を「哲学者」や「思想家」であると自信を持って言うことができるようになったのであり、それ以前の「詩人」とか「小説家」より、資質的には彼等に近いということを認識した。しかし、考えれば、私という人間はそれらすべてであり、女性であり、人間であり、日本に生まれ、日本語を母語とし、地球という星に存在する者であり、20世紀に生まれ、21世紀に生きるもののでもあり、etcであり、最近になってみればそのようなカテゴライズ自体が馬鹿らしくも思えるのであるが、初対面の人に「それらすべてです」などと無責任にも自己紹介することがある。そうでもしないと「観念女!」だとか、「サヨクですね!」とか一面的解釈をされ誹謗されるのである。

しかし、しかし、本音を言えば最近では正しく理解されることなど半ば諦めているので、そのように解釈したい人には(勝手にどうぞ!)と思っている。

だからこそ、偶に、その人の直感力が優れていて、私という人間のいくばくかを理解してくれそうな人に出会うと、困ったことに、なんでもかんでも話したくなってしまうのだ。たとえその結果が惨憺たるものであり、「ナイーブね!」などと言われても。


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