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編集長のブログ

石牟礼道子全詩集『はにかみの国』


久しぶりに、石牟礼道子全詩集『はにかみの国』を、目の前の棚から取り出す。大震災の後に読んだこの詩集は、以前にも増して強烈なイリュージョンを現出させる。
人も町も、すべてのものがコンクリートで覆われてしまった日本列島。その光景は、もはや卓越した詩人の幻視を超えて、近未来のひとつの光景として凡庸な想像力しか持たない者の眼前にさえある。その場所に佇めば、かつて路傍に咲いていた小さな花の姿が、いかにみずみずしく美しかったかが、思い出されるであろう。人は失ってみて、自分たちに恵まれていた自然が、人と切り離せない情緒の源であったことを知る。
この度の大災害から、まだ1ヶ月も経ってはいない。「福島原発の甚大なる被害」により汚染された海や汚染された空気の数値ばかりが、連日報道されているが、もう少し違う視点の報道があってもよい。上記の数字は農家や漁業を営む人々の暮らしに直結するし、それを消費する私たちにとっても重要な目安になる。しかし、今回の震災から立ち直る「希望」はどこにあるのか。日々の暮しがもとに戻ったところで、それが「希望」の源になるとはとても思えない。

自然の景観や、自然の脅威を無視して、人の都合ばかりで増殖してきた「街の姿」は日本のどの地域にもある。だからこそ、その姿と形を根本から変える必要がある。それは、「自分もこの自然の一部であり、この自然から生まれ、この自然に育まれた命である」という根本の原理を土台にした「街の姿」であるに違いない。たとえ、プランだけでも描ければ、それこそが「希望」だ。
荒らぶるものと、美しいもの、豊穣と飢饉をもたらしてきた四季に恵まれた国に生まれた私たちが、自然を無視し、自然と敵対してしまったとき、「人の社会」がどのような姿になるか、『はにかみの国』(石風社刊)は教えてくれる。

([編集長のブログ」原文は、青フォントのタイトルをクリックして読んでください。原文の改行が反映されています。)


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