本日は、3月3日「おひな祭り」である。関東地方の天気予報はおおむね曇り後雪。「おひな祭り」にちなんだわけではないが、今日は都心にでかけ、女3人の会食を予定している。
最近このページに猫の情報がないという声を聞くので、少し記すことにする。日曜日のETV特集(NHK3チャンネル)で、多摩川の河川敷で暮すホームレスの人たちと、飼っている猫や犬のドキュメンタリーを放映していた。彼等が世話をしている犬や猫はほとんどが誰かに多摩川まで運ばれ捨てられたのだ。なかで、一人で14匹の猫と一頭の犬の世話をしているKさんという人のドキュメントが胸にこたえた。多摩川のホームレスのおじさんたちは、近隣の町で空き缶などを集め、それを換金して犬猫の餌や自分たちの日々の糧をまかなっている。Kさんの場合、明らかに自分の食い扶持を稼ぐというより、犬猫の食い扶持を稼ぐために空き缶を集めている。しかも、このところの金融危機で空き缶の買取価格も急激に下落しているという。
Kさんの世話している犬が、Kさんの小屋のなかでうずくまっている猫の耳の後ろをしきりに舐めている映像があった。その猫は、耳の後ろがただれて出血していた。その映像を見ていて、タルコフスキーの「ノスタルジア」を観た時のなんともいえない胸苦しい気持が甦ってきた。あの映画でも、弱い動物ばかりが優しく賢かった。
この状況をどのようにしたら変えることができるのか。タルコフスキーは映画のなかで、自殺する前の、副主人公ドミニクに、「俺は家族と自分の幸せばかりを考えてきたからいけなかったんだ」と言わせている。
「おひな祭り」、現在のところ出口なしのこのホームレスのおじさんたちと世話をしている犬や猫に、せめてもの気持を届けたい。