文字とデザインにこだわる、それがレイラインパブリッシングです。 スタッフの鋭敏な感性と豊かな想像力で1冊1冊の本を大切に作り続け、読者にお届けします。ただ今10月11日発刊arc15号購読受付中


ホーム >> 編集長のブログ >> 高貴なウソ

編集長のブログ

高貴なウソ


古来、為政者たちは、無知な大衆をコントロールするために「高貴なウソ」というデマゴーグを多用した。古くは古代ギリシャから近くはドイツのナチスまで、地球規模で「高貴なウソ」は、大衆を無知蒙昧な輩と捉えることで正当化されてきた。
ここに動員された哲学者はプラトンからヘーゲルまで数多く、為政者たちは「国家」の秩序を形成するとして、選別された一部エリート指導者とそれ以外のものを峻別した。
今日、この「国家」の秩序形成の手段は「民主主義社会の下」で過去のものになったのか。否、現在のマスメデァの報道はまず意図的なもくろみに向かって世論形成することで、「風」を作り出し、「国民の総意」は「何々である」などと平気で報道する。すべては「欺瞞とウソ」とまでは言わないが、政局に関わる報道、そして経済に関する報道には注意したほうがよい。
確かに、多くの人々は「自分の利益」が損なわれることに敏感であり、政治はそんな大衆の動向に迎合することで一票でも多くを獲得しようとやっきである。
プラトンが思い描いたような高潔で指導力のあるリーダーはなかなか現われない。「高貴なウソ」をばら撒いて自分がそのような指導者であると名乗りをあげる人物はヒットラー、ムッソリーニ、スターリンなど数多くいたが、歪んだ全体主義国家を作り出し多くのファシストを生み出しただけであった。

他方、今日の世界の現状を憂いるジャーナリストも政治家も学者も芸術家も、そして宗教者も数多くいるに違いないのだが、なかなかその主張が、この世界に風穴をあけるというところまでには到っていない。
歴史の時間、人類としての経験が積み重なっているだけに、デマゴーグによる大衆操作も巧妙の度を増してきて、敏感に感性を研ぎ澄ましていないと報道の本質はなかなか見えてこない。
このような権力者による隠蔽と操作は、今日の世界では無用に化していると私は考える。それでなくとも、政治においても、経済においても、ありとあらゆることにおいて新たな発想と、瑞々しい力が求められている。本来的に言えば陰謀めいたことにエネルギーを割いてる暇などないはずである。今日の世界と日本の抱えている問題の所在は明らかであり、私たちはすでにそれらの問題を解決する能力を有している。
それなのに、私たちの思考形態はいつまでも「現在」というこの場所に止まり、その先の地点に歩を進めることができないでいる。様々な要因をあげることはできるが、「高貴なウソ」が地球に住む人々を分断し、あたかも人間という種に生まれながらの優劣があるように、喧伝していることも事態を改善できない大きな理由だろう。(arc編集長・東郷禮子)
●参考図書『プラトンの呪縛』佐々木毅著(講談社学術文庫)


コメント

●arc世界連邦政府憲法 試案
●arc THE CONSTITUTION OF
THE UNITED WORLD GOVERNMENT
TENTATIVE PLAN
●arc世界連邦政府憲法
試案/Q&A



新刊案内

2015.10.7 arc19号発刊!
arc19 2014.10.7 arc18号発刊!
arc18
2013.10.13 arc17号発刊!
arc17
2013.5.30
 『ハラハラ、ドキドキ、
 なぜ歩くの、智恵子さん』
 発刊!
arc15
2013.3.21
『進化する政治経済学』発刊!
arc15
2012.10.12 arc16号発刊!
arc17